ジャズピアノレッスンで教えていること 続編

東京でジャズピアノのレッスンをしています、ジャズピアニストの河野祐亮です。

前回の『ジャズピアノレッスンで教えている内容について』という記事がたくさんの方からの反響や好評をいただきました。ありがとうございます。

今回は続編として、よく体験レッスン時に聞かれる質問を取り上げてジャズピアノのレッスンの内容を紹介していこうと思います。

目次

質問① 前回の記事のような他の楽器とのアンサンブルにはあまり興味はなく、ピアノ一人で弾くジャズピアノの演奏ができるようになりたいのですが、そういったことは教えてもらえますか?

もちろん可能です。ただ一人でジャズピアノを弾く(ことを以降ソロピアノと記載)のに必要なことは『セッション(アンサンブル)経験』になります。

結局セッションかい!てツッコまれそうですが、ソロピアノで表現するのは、ピアノ一人の演奏でピアノトリオ(ピアノベースドラムの3人のバンド編成)やそこに管楽器を加えたカルテットの演奏を表現するものだと思っています。

つまりベーシストと共演したことのない人はいくらベースラインの作り方を教えても、そのグルーブやノリや音の雰囲気まではピアノで表現できない(そもそもしようとも思えない)でしょうし、ドラマーとの共演経験がなければドラムがどんな風に音楽の中で存在し表現しているかも知らないのでソロピアノを弾いても全く「ジャズのサウンドにならない」のです。

結論、まずは目標として他の楽器との演奏、すなわち「セッションで演奏ができるようになる」ことを目指します。その上である程度のアンサンブル経験を積んでバンドサウンドのイメージを持てるようになってから、ご希望でしたらレッスン内でソロピアノの内容に触れていくいことになります。

質問② バースデーソングや童謡のような有名な曲をジャズアレンジしたい、そういったことを教えてもらえますか?

もちろん可能です。さきほどの質問とも重複しますので、ここで僕のレッスン姿勢というか思想を紹介したいと思います。それは

生徒さん自身で誰にも頼らずに(演奏、編曲、アレンジも全部含めて)自分の力だけで出来るようになる

ようにレッスンをしています。レッスンというのは「知識提供施設」ではなく、あくまでも「受講生の育成」学校だと思っています。

分かりやすくいうと○イザップみたいなイメージです。ラ✖️ザップに行って何をするのか考えてみてください。痩せたいから通うとして、お店に向かって「痩せる方法論を教えてください!足をどうやったら痩せられるか教えてください!お腹をどうやったら引っ込ませられるか教えてください、とりあえずノウハウを教えてください!(後で自分でやるから)」て言ったら教えてくれるのでしょうか。多分教えてくれません。「次回までにこのトレーニングを続けてくださいね。こんなご飯食べてくださいね。毎日しっかり運動してくださいね。」とトレーニングの指示をしてくれると思います。しかもそれは個人個人で内容も違う。

つまり方法論を教えてるのではなく、体が細くなるように利用者さんを「育成」しているのであって、やり方そのものをただ情報として教えているだけならビジネスそのものもマネされるだけではないでしょうか。(というか拡散される)

ピアノのレッスンも似ています。さきほど書いたピアノソロの演奏方法についても今回の有名な曲のアレンジの仕方についても、もしかしたら何かの教則本に紹介されているかもしれません(読んだことないのですが)。ですが、その情報を知るだけでは弾けるようにはならないでしょう。むしろ大事なのは「紙には書いていない向こう側の体験や経験」なのです。だからこそレッスンというものがあります。

結論、教えることはもちろん可能です。ただその方法を情報として教えて「はい終わり」ということはしません。質問者の方が自分の力でアレンジできるような力を育むために、通常のレッスンをします。その通常レッスンで習ったことだけで自分の力でアレンジができずに悩んでしまった場合のみ、僕は助けたいと思いますし一緒にアレンジをしながら勉強していきます。

※裏を返せばレッスンを受講して真面目に練習していれば誰でも自然にできるようなります。

質問③ テキストはありますか?

ありません。あったとしたら、レッスンの最初は言葉で説明をするので文字にするととんでもない量やページ数になる気がします笑 テキストが無くともどのような順序でどのように学習していくのかという流れは僕の頭脳にしっかり刻まれています。それと受講生によって内容も少し変わります。

例えば受講生と話しながら、その人が論理脳なのか感情脳なのかを見ています。理屈ぽく考えるのが好きな人もいれば、ピアノを弾きながら頭を使って考えながら弾くのは嫌だと言った方もいます。人によって同じ内容でも違うアプローチで教えたいので、やっぱり一括内容のテキストは存在しえないと思っています。

ただ、いつか自分でレッスンの復習本を作れたらいいなとは思いますが今は夢ですね笑

結論、ありません!

質問④ どのくらい(の期間)で弾けるようになりますか?

これはほんっとーによく聞かれる質問です。

人による。…と答えるとみんな困った顔をされるので、その質問をされた時はいつも逆に質問します。

『毎日何時間練習できますか?』

そうすると大概返ってくるのは「うーん、毎日は..厳しいかな。土日なら○○時間できます!」と答えてくれます。なのでこれに対していつもアドバイスしていることがあります。

『土日にまとめて○○時間もやらなくていいから、毎日30分の練習を一日も欠かさず毎日やったら○ヶ月後に人と一緒に演奏ができるようになるよ』という目安を話しています。もちろんピアノを弾いたことがあるのか、ジャズを聴いたことがあるのか、はたまた全く音楽を演奏したことがないのかで全然違うので目安でしか言えないのですが、どのくらいで弾けるかと質問する全ての人に伝えたいのが「とりあえず毎日練習する覚悟を持ってくれないと答えられません」です笑  そうでないなら、その方の状況も環境も分からないですし、一番の難問はこの質問者の方の「弾けるようになる」という言葉がどのくらい弾けることを指しているかも分からないところにあります。

仕事や家事や育児や学校などなどあって毎日練習なんて無理だからレッスンは受けられない!と言われてしまいそうなので、補足します。毎日練習しないとダメてことではありません。期間が答えられないというだけです。むしろみんなに言いたいのは

どのくらいの期間で上手くなるかを気にせず、何年も楽しくジャズピアノと付き合っていこう。

という練習姿勢が大事だと思います。期間の質問をしてしまう人は上手くなりたくてしょうがない、いわば熱愛状態にあるのでそういった方は是非毎日練習してください。きっとすぐ上手くなります。毎日の練習はできない人が大半ですから、みんな期間など気にせず長い目で楽しくピアノと向き合っていって欲しいです。

ps 僕なんて何年練習してても上手くなった気がしない。誰かに聞きたい、あとどのくらいで弾けるようになるのか笑

↓NYの音大The New Schoolに通っていた頃、毎日10時間ピアノを練習してました。

最後に

いかがだったでしょうか。なかなか文字にするとニュアンスが伝わりにくい部分もあって、長くなってしまいました。もっと詳しく聞きたい方は是非体験レッスンにお越しください。これでジャズピアノに興味が湧いてくれた方は是非たくさんのジャズの名演や各地で行われているジャズライブをいっぱい聴いてみてください。素晴らしい音楽世界が広がっています。

閲覧いただきありがとうございました。皆様からのお問い合わせお待ちしております。

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